S3E5 炎の口づけ(Kissed by Fire)
ゲーム・オブ・スローンズ シーズン3 エピソード5『炎の口づけ』について解説していきます。
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オープニング
今回登場するのは、キングズ・ランディング、ハレンホール、リヴァーラン、ウィンターフェル、壁、ユンカイです。
エッソス大陸の奴隷商人湾には3つの自由都市、アスタポア、ユンカイ、ミーリーンがあります。アスタポアで穢れなき軍団を手に入れたデナーリスは、ユンカイに向かいます。
兄弟団の砦
兄弟団に逮捕されたハウンドは、アリアの友人マイカー殺害の容疑で告発されたため決闘裁判にかけられます。決闘裁判は決闘の結果で判決を決めるウェスタロス流の裁判です。S1E6 金の王冠ではティリオンが擁護者にブロンを立てて無罪を勝ち取っていました。
決闘の相手は兄弟団のリーダー、ベリック・ドンダリオン。ベリックの炎の剣にハウンドはひるみますが、力で押し切りベリックを切り倒します。
即死したベリックにミアのソロスが駆け寄り光の王に祈ります。するとベリックは何事もなかったかのように復活します。
ハウンドは決闘に勝利したため無罪。アリアは納得がいかず食い下がりますがベリックはハウンドを釈放します。
壁の向こう側
S3E3 処罰の道で、野人の王マンスはトアマンドに壁攻略を命じました。ジョンも壁に詳しいということで同行しています。
ウェスタロスを横断する長い壁には13の砦があります。しかしナイツウォッチが有人で守っているのはたった3つなんですね。ジオーが王都に人手不足を訴えたこともありましたが対策はなされていないようです。
イグリットはジョンの剣ロングクロウを盗み、ジョンを洞窟におびき寄せます。そしてナイツウォッチを本当に抜けた証明に誓いを破って見せろとジョンを誘惑します。
ハレンホール
ボルトン家のロックに捕まったブライエニーとジェイミーの身柄は、ハレンホールを守るルース・ボルトンに引き渡されます。ジェイミーは王都の状況を心配し、危機が去ったと聞いて安堵します。
S3E1 新たな時代でスターク軍に拾われたクァイバーンがジェイミーの右手を治療します。麻酔なしで手術に臨むジェイミー。関羽かお前は。
クァイバーンは元メイスターでしたが実験があまりに大胆だったため称号を剥奪されたようです。マッドな科学者タイプでしょうか。
キングズ・ランディング
サーセイはリトルフィンガーに声をかけ、タイレル家の思惑を探るよう依頼します。
ティリオンはオレナを招き、近づく王の婚礼式典の費用を出してくれないかと依頼する。オレナは先の戦いで大量の兵士や物資を支援したことを引き合いに出すが、最終的に半分出す。
兄弟団の砦
ジェンドリーは鍛冶職人として兄弟団に加わる。アリアはラニスターに見つかったら殺されるからロブに保護してもらおうと説得する。ジェンドリーは誰かに仕えるのはたくさんだ、兄弟団は皆が家族だから気に入っていると言って断る。
リヴァーラン
ストーン・ミルの戦いで捕虜になったマーティン、ウィレムのラニスター兄弟。子供なのでリヴァーランで世話されていましたが、息子を殺されて怒り狂うリカード・カースタークに寝込みを襲われ命を落とします。
ロブはリカードを呼び出し叱責しますが、リカードはこれは殺人ではなく復讐だと言って罪を認めません。ロブはリカードを地下牢に入れます。
ロブはリカードの処刑を考えていました。ロブが挙兵したのは不当に父を殺したジョフリーを王と認めないためでした。ここで部下が私情で犯した殺人を見逃すことはできません。
タリサ、キャトリン、エドミュアはリカードを処刑すればカースターク軍は離れる、人質として生かすべきだと説得します。しかしロブはリカードを自ら処刑します。
兄弟団の砦
眠れないアリアは殺しのリストを唱えます。ジョフリー、サーセイ、イリーン・ペイン、サー・マーリン、ハウンド。
かつてネッドがマウンテン討伐のためベリックを派遣したとき、ベリックはマウンテンに殺されました。しかしソロスが光の王に祈ることで6回の蘇生を果たしてきました。ベリックは傷だらけの体をアリアに見せ、ネッドをよみがえらそうなんて思うなと言います。
ドラゴンストーン
スタニスは久しぶりに妻セリースの元を訪れます。スタニスは妻を裏切りメリサンドルと関係を持ってしまったことを懺悔しますが、セリースはすでにメリサンドルから聞いていました。スタニスとセリースの間にできた男の赤ん坊は3人とも死産で、娘が1人いるだけです。自分が与えられなかった息子をメリサンドルが与えてくれて嬉しいと語るセリースさん怖い。。
スタニスは娘シリーンに会いに行きます。詳しく語られませんでしたが、シリーンは灰鱗病(グレイスケール)という病気にかかり呪術などで進行を止めている状態で、顔に跡が残っています。
シリーンはダヴォスに懐いており玉葱の騎士と呼んでいます。スタニスはダヴォスを地下牢に入れていることを伝えます。
ハレンホール
ブライエニーが風呂に入っているとジェイミーが入ってきます。ジェイミーはブライエニーと休戦したいといいます。ブライエニーを信頼しているというジェイミーは昔話を語ります。
王の盾だったジェイミーが王殺しと呼ばれるようになった事件、その顛末は以下のようなものでした。
- 当時の王エイリスは狂王と呼ばれており、敵が多かったため王都のあちこちに鬼火の貯蔵所を作らせた。
- ロバート軍が王都にやってくる前にラニスター軍が王都についた。タイウィンは劣勢な狂王を裏切るつもりだった。
- ジェイミーは狂王に平和的な降伏を勧めたが聞き入れられず、タイウィンの首を取れと命じられた。
- 狂王は火術師に家ごと全て焼き殺せと命じた。
- ジェイミーは火術師を殺し、狂王の背を刺した。燃えるとドラゴンとして復活するかもしれないので喉を切った。
- ネッドがそれを見て有罪と判断した。
ドラゴンストーン
ダヴォスが地下牢にいると聞いたシリーンは地下牢を訪れます。退屈だろうと差し入れに絵本を持ってきてくれましたがダヴォスは字が読めません。シリーンは一緒に絵本を読みながらダヴォスに読み方を教えます。
アスタポアからユンカイへ
アスタポアで穢れなき軍団(アンサリード)を手に入れたデナーリスは次の都市を目指します。
ジョラー・モーモントとバリスタン・セルミーは騎士同士で雑談しています。バリスタンは狂王の時代から王の盾を務めています。故ロバート王はいい男だったが最悪の王だった。しかし誓いは破れない。一度でいいから心から信じる人のために戦いたい、と。
デナーリスはアンサリード達に自分たちの指揮官を選ぶように求めます。そして選ばれたのはグレイ・ワーム(灰色の蛆虫)と言う名の男。奴隷たちが自尊心を失うように親方につけられた名です。デナーリスは名を変えてよいと言いますが、グレイ・ワームはデナーリスに出会い解放された幸運の名だと断ります。
リヴァーラン
カースターク家の兵はロブの元を去り、軍の規模は半分になってしまいます。今から王都を落とすことはできない、かといって北に戻れば冬が来て再決起が難しくなる状況です。
ロブはラニスター家の本拠地、キャスタリー・ロックを攻めることに決め、カースターク家の抜けた穴埋めをウォルダー・フレイに頼むことにします。フレイ家はタリー家の旗手で、S1E9 ベラーにて北部軍が橋の通行券を得るために、ロブとフレイ家の娘を結婚させるなどの約束を交わした家です。少し虫の良い話ですね。
キングズ・ランディング
マージェリーはロラスとサンサの結婚に向けて準備を進めています。ロラスに若い男オリヴァーが接触し、体の関係を持ちます。ロラスはオリヴァーに近々結婚することを話しますが、実はオリヴァーはリトルフィンガーが差し向けた男娼で、話は筒抜けでした。
リトルフィンガーはサンサに王都を離れることを告げ、一緒に行こうと誘います。しかしロラスとの結婚を控えて王都を離れたくないサンサは、待った方がよいと断ります。サンサが最近マージェリーと親しくしていることから、リトルフィンガーは何かを悟ったようです。
サーセイ、ティリオンはタイウィンに呼び出されます。タイウィンの話すことを要約すると、
- カースターク家の支持を失ったロブはもう終わり、今後の北部の鍵はサンサとなる。
- タイレル家は王家に迎えてやったのに、北部の鍵を奪おうとしている。サンサはタイレル家には渡さない。
- サンサの結婚はジョフリーの婚礼まで隠すようだから、その前に別の相手と結婚させればよい。
- その相手はティリオンだ。
- タイレル家の領地リーチを押さえるため、サーセイはロラスと結婚して子を作れ。
さすがにタイウィンは数手先が見えています。子供たちの気持ちは度外視で。
以上、シーズン3 エピソード5でした。
今回のタイトル、炎の口づけはイグリットの赤い髪から来ています。また、ソロスが行う蘇生の儀式は Last Kiss と呼ばれており、光の王の象徴の炎と組み合わせたというのも由来の一つかもしれません。
一つだけ言わせて欲しいのは、前回のS3E4 穢れなき軍団ではヴァリス登場リトルフィンガー未登場だったのに対し、今回はリトルフィンガー登場ヴァリス未登場ということです。これは意図的に対比する演出だと思います。前回はヴァリスの攻撃、今回はリトルフィンガーの反応と反撃になっています。王都でひそかに繰り広げられる、リトルフィンガーの野望とそれを阻止しようとするヴァリスとの攻防に注目です。
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