S3E6 登壁(The Climb)
ゲーム・オブ・スローンズ シーズン3 エピソード6『登壁』について解説していきます。
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オープニング
今回登場するのは、キングズ・ランディング、ハレンホール、リヴァーラン、ウィンターフェル、壁、ユンカイです。
壁の向こう
S3E4 穢れなき軍団にて、クラスターの砦で起きたナイツウォッチの反乱にまぎれて砦を抜け出したサムとジリは壁を目指します。焚火を囲んだサムは最初の人々の拳で見つけたドラゴングラスの刃(S2E8 ウィンターフェルの王子)をジリに見せます。サムは壁やカースル・ブラックの話をして不安げなジリを励まそうとします。
ブランたち
ブラン一行はウィンターフェルを脱出して壁に向かう途中、S3E2 三つ目の鴉にてミーラ、ジョジェンの姉弟と出会い、共に旅しています。オシャはミーラを受け入れていないようで些細な事でケンカをするのでブランはウンザリしています。
ジョジェンにはブランと同じ緑視力(グリーンサイト)という能力があります。緑視力は狼潜りの中でごく一部に現れる能力で、遠い景色や過去、未来すら見えると言われています。眠りながら遠くを見ていたジョジェンは反動で突然苦しみだし、ミーラが介抱します。
気が付いたジョジェンは、ジョン・スノウが野人と一緒にいるのを見たと言います。
壁
トアマンド率いる野人の一隊は壁に到着し、壁を登る準備を始めます。イグリットはジョンを自分の男と呼び、互いに忠実であるよう言います。イグリットはジョンの忠実で勇敢な性格から、鴉を裏切るためにマンスの元に来たのではないと気づいています。
鴉もマンスも2人が死んだって何とも思わない。2人を気にかけるのはお互いだけなんだと、イグリットはジョンに語りかけます。
兄弟団の砦
アリアは弓の訓練をしています。教えているのはアンガイという弓の名手。
そこにやってきたのは赤い服に身を包んだメリサンドル。光の王の信者であるソロスはメリサンドルが祭司であると気づき砦に案内します。
メリサンドルは死から蘇ったベリックを見て驚きます。光の王の教えでも死者の蘇生は非常に珍しい奇跡。ソロスはもともとロバート王を光の王に導く目的でウェスタロスにやってきましたが、信仰心は薄く、王都では飲んだくれて娼婦を抱く日々。友人のベリックがマウンテンに殺されたとき、とっさに唱えた祈りが光の王に届くのを見て信仰を取り戻しました。
メリサンドルは必要なものがあってここへ来たと言います。
明くる日、アリアたちの元にメリサンドルがやってきてジェンドリーを拘束します。ベリックはメリサンドルの求めに従い、お金と交換でジェンドリーを引き渡したのでした。アリアは反対しますがジェンドリーは連れ去られてしまいます。
メリサンドルはアリアの中に、闇と永遠に閉じる茶色・青・緑の目が見える、と謎めいた言葉を残します。
ドレッドフォート
シオンはまだ磔にされています。耳障りなラッパで起こされるシオン。召使いの少年はここがどこだか当ててみろと言い、シオンは適当に答えますが当たらず、小指を痛めつけられます。情報を吐かせるでもない、この拷問の目的は何なのでしょう?
リヴァーラン
前回S3E5 炎の口づけで、王都にも北にも戻れないロブは、ラニスター家の本拠地キャスタリーロック城を落とすためフレイ家の力を借りることにします。
リヴァーランにやってきたフレイ家の家臣は、同盟継続の条件として、婚約破棄の謝罪、ハレンホールの譲渡、そしてエドミュア・タリーと娘の結婚を要求します。
S1E9 ベラーでキャトリンがフレイ家のツインズ城を訪れたとき、たくさんの息子、娘がいました。言い方を変えれば売れ残りの娘たちです。エドミュアは嫌がりますが、ロブとブラックフィッシュの説得でエドミュアは結婚を承諾します。
ハレンホール
ジェイミーとブライエニーは、ルース・ボルトンと会食します。ルースはロブの家臣ですが、ここでジェイミーをロブに渡したことが知れればタイウィンの怒りを買います。
ルースは右手を切り落としたのはルースの命令ではないと証言することを条件にジェイミーが王都に戻ることを許可します。しかしブライエニーは反逆のほう助の罪に問うと言います。ジェイミーはブライエニーも王都に連れて行くと言いますが、立場をわきまえろと一蹴されます。
キングズ・ランディング
タイウィンはオレナにロラスとサーセイの結婚を打診しています。男色趣味のロラスが七王国一の美女と結婚出来るなんてありがたく思えと威圧するタイウィンに、近親相姦はNGとオレナも負けていません。タイウィンは断るならロラスを王の盾に任命すると言って従わせます。王の盾に任命されると一生家庭や領地を持つことができないため、ロラスが王の盾になるとタイレル家は滅びてしまいます。
実はタイウィンも過去に同じ手を味わっています。20年ほど前タイウィンは当時の王エイリス2世(狂王) の王の手を務めていました。タイウィンが娘サーセイを王子レイガーに嫁がせて権力を得ようとするのを良く思わない王は縁談を蹴り、代わりにジェイミーを王の盾に任命しました。タイウィンは後継者を奪われた形になります。(タイウィンはティリオンを後継者とは認めません。)怒ったタイウィンは王の手を辞め、キャスタリーロックに帰りました。
壁
氷の壁を登る野人たち。イグリットが打ち込んだピッケルが壁の表面に亀裂を作り、氷がはがれ落ちます。巻き込まれたイグリットとジョンは命綱で宙づりに。2番手のオレルはトアマンドと自身を救うため命綱を切ります。ジョンは壁のくぼみにピッケルを打ち、イグリットと共に落下を免れます。
キングズ・ランディング
ロラスとサンサは2人で話しています。ロラスの気持ちはわかりませんが、少なくともサンサはこの縁談に満足し、ロラスと共にハイガーデンへ行く日を心待ちにしています。
一方、タイウィンの命令を受けたサーセイとティリオンは、結婚を回避しようと頭を悩ませますが打つ手がありません。
ティリオンはS2E9 ブラックウォーターでティリオンを襲うよう命令したのはサーセイかと直接聞きます。何も言わないサーセイを見たティリオンは、命令したのがサーセイではなくジョフリーであると悟ります。ジョフリーはもうサーセイの制御下ではなく自身で動き始めているんですね。そんなジョフリーもタイウィンが見張る間は動かない。しかしマージェリーがジョフリーをうまく操縦していけば、七王国の未来はタイレル家のものです。
ジェイミーはサーセイやティリオンより頭が回りませんが、感情で動くところがあるので、こういう打つ手のない状況を打破できたかもしれません。しかしリヴァーランから脱走して以降の消息は伝わっていません。
サンサはジョフリーの婚礼に向けて衣装合わせをしています。しかし心はハイガーデンで行う自分の結婚式の方に。そこへティリオンがやってきて、サンサに事情を説明しようとします。
玉座の間
鉄の玉座を眺めるリトルフィンガー(ピーター・ベイリッシュ)にヴァリスが話しかけます。
ヴァリス「ライサ・アリンの件では2番目を選ぶことになりましたね(サンサを連れていけなくて残念だったね)」
ピーター「私が望みを叶えようとするのをあなたが恐れるとは光栄だ」
ヴァリス「邪魔をするのが目的じゃないけど、君が失敗するのを見て愉快だったよ」
ピーター「確かに。サンサがタイレルに嫁がせる君の計画を阻止したのは楽しかった。でも君の友人(ロス)は楽しめなかったね」
ヴァリス「私は国家のためにやったんだ」
ピーター「国家なんて、嘘が真実になるまで繰り返し語ろうと決めた物語にすぎないじゃないか」
ヴァリス「しかし嘘がなければ混乱という大穴に我々は飲み込まれてしまう」
ピーター「混乱は穴ではない。ハシゴだ。」
ピーター「登ろうとするものは落ちて二度と登れない。壊れてしまうから」
ひそかにヴァリスのために動いてリトルフィンガー側の情報を流していた娼婦のロスは、ジョフリーに引き渡され不幸な最期を遂げました…。
ピーター「登る機会を与えられるものもいるが皆それを断り、王国や神々、愛などの幻想にしがみつく(国内の情報を一手に握るほどの力を持ちながらハシゴを登らないヴァリスは玉無しだ ※意訳)」
「ハシゴだけが現実。あるのは登ることだけ」
壁
一時はあわやと思いましたが、野人たちとジョンは壁の頂上にたどり着きました。ジョンとイグリットは頂上からの光景に息をのみ、生きて乗り越えた喜びをかみしめるのでした。
以上、シーズン3 エピソード6でした。
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