S1E9 ベラー(Baelor)
ゲーム・オブ・スローンズ シーズン1 エピソード9『ベラー』について解説していきます。
前のエピソード
Amazon Prime版のタイトルは相変わらずイマイチです。今回のベラー、本編中に出てくるベイラー聖堂を指していますが、訳語が一致していません。内容を見ずに英語タイトルを直訳したように感じます。
オープニング
今回登場するのは、キングズ・ランディング、ツインズ(双子城)、ウィンターフェル、壁、ヴァエス・ドスラクです。 アイリーが抜けて、ツインズが加わりました。
ウェスタロス大陸中部の地峡(ネック)と呼ばれる細い地域にはトライデント河(三又鉾河)という大河が流れていて、大軍が南北を行き来するには橋を渡らねばなりません。その橋を管理するのがツインズ城主のフレイ家です。
レッドキープの地下牢
捕らわれたネッドの元に再びヴァリスが訪れます。前回ネッドに断られたのに、ヴァリスは再び、もっと強い口調で説得します。自分の反逆とジョフリーが王であることを認め、進軍するロブを止め、サーセイの秘密を守るなら、壁送りになるだけで命は助かるはずだと。しかしネッドは、王位継承者はスタニス、名誉のためなら命も惜しくない、と断ります。
ヴァリスは、娘の命は大事ではないのですか、と言い残して去ります。
ツインズ
ロブ率いる北部軍は、ツインズのそばで様子を伺っています。ツインズから放たれる使い鴉がいたら撃ち落し、ラニスター軍と交信できないようにしています。
ラニスター軍に攻撃を仕掛けるなら橋を渡るしかない。しかしフレイ家は必ず橋の通行料を求める。ロブが交渉に行けば、最悪の場合、捕まってラニスター軍に引き渡されるかもしれない。そこで、キャトリンが一人交渉に向かいます。
フレイ家は、キャトリンの生家タリー家の旗手なので、キャトリンは城主ウォルダーと面識があります。しかし橋の通行料で財産を築いたフレイ家は、かつての戦乱でタリー家の招集に遅れて参加するなど、信用できない人物とみられています。
壁
前回、よみがえった死者に襲われそうなところを救ったジョンに、ジオー総統はモーモント家に伝わる剣、ロングクロウを与えます。この剣は本来、デナーリスと一緒にいるジョラー・モーモントに引き継がれるはずでしたが、ジョラーは奴隷売買の罪で追放され、剣だけ残されました。
若い隊士たちはジョンの手柄に、自分のことのように浮かれます。
しかしサムは浮かない様子。メイスター・エイモンあての手紙のことを、ジョンに伝えなければいけないと。その内容は、ジョンの兄弟ロブが戦のため南進を始めたこと。
ツインズ
キャトリンがツインズから帰ってきました。結論としては、橋を渡ってよい。しかも剣士を貸してくれるという。そして見返りにフレイ家が要求するものは以下。
・息子オリヴァーをロブの従士にし、ゆくゆくは騎士にする。
・アリアが成人したら息子ウォルドロンと結婚する。
・合戦が終わったらロブは娘の一人と結婚する。
この場にいないアリアは可哀そうですが(間違いなく拒否するだろうけど)、ロブは同意し、北部軍は川を渡ります。二手に分かれているように見えます。
壁
メイスター・エイモンがジョンに鴉のエサやりをさせています。メイスターというのは城付きの学者のようなもので、これまでもウィンターフェルのルーウィン、キングズ・ランディングのパイセルが登場しました。
エイモンは目の見えない老人なのに、語る言葉はすべてを見通すようです。
エイモン「なぜナイツウォッチは妻も子も持たないのか、考えたことはあるか?」
ジョン「いいえ」
エイモン「愛さないためだ。愛は義務を殺す」
エイモン「お前の父はどちらを選ぶ?一方に名誉、他方に愛する者がいたら」
ジョン「正しい方を」
エイモン「しかし彼は1万人に1人の男だ」
エイモン「女への愛と名誉、子を抱く喜びと義務、あるいは兄弟の笑顔」
ジョン「サムが話したのですか」
エイモン「代償が不要なら義務を果たすのは容易だ」
エイモン「だがそれが容易でなくなる日が、選択の日が来る」
ジョン「私にとって、今日がその日だと?」
エイモン「つらいだろう、青年。わかるよ」
あなたには分かりはしない、と興奮するジョンに、エイモンは自らの過去を語って聞かせます。エイモンはターガリアン家でしたが王位を拒否して壁に来ました。その後、弟エイゴンが王になり、その子エイリスが王になりました。エイリスは狂王として恐れられ、ロバートの反乱で王都のターガリアン家は皆殺しにされ家は滅亡しました。年老いて目も見えないエイモンは、その知らせを聞いて何もできません。
エイモンはジョンに、留まるか行くかは自分で選び、一生背負って生きろ、と言います。
ドロゴたち
前回、胸に傷を受けてからドロゴの様子がおかしい。ついに馬から落ちてしまいます。デナーリスは疲れているだけと言いますが、男たちは馬に乗れない王から心が離れ始めています。
ドロゴの傷は化膿し、今夜にも死ぬだろう。ウェスタロスでは王の子が成人するまでデナーリスが摂政となることもできますが、ドスラクでは強い男だけが王。王の子が生まれても殺されてしまうかもしれません。
デナーリスは、ミリ・マズ・ドゥールに魔術でもよいからドロゴを救ってくれと頼みます。ミリ・マズ・ドゥールはドロゴの馬を犠牲にして血の魔術を行います。人払いで全員追い出されたテントから響く謎の叫び声。ドスラクの男はテントに入り止めようとしますが、ジョラーが倒します。
しかしデナーリスの体にも激痛が。デナーリスを抱えたジョラーはテントに入ります。
タイウィンの野営地
ティリオンは山の民とともに先鋒で戦うことを命じられます。まるで死ねと言っているようなものですね。
憂鬱なティリオンが自分のテントに戻ると、ブロンと謎の美女が。ティリオンは一目で娼婦のシェイを気に入ります。
ティリオン、ブロン、シェイの3人は酒を飲みながら身の上当てゲームをしています。これは相手の過去を予想し、当たっていれば相手が酒を飲み、違えば自分が飲むというゲーム。ゲームが進むにつれ、話題はティリオンの過去の結婚話に。
昔、男に追われる半裸の女をジェイミーとティリオンが助けます。女の名前はティシャ。ティリオンは彼女と食事をするうちに好きになり、そのまま寝て翌朝には求婚、酔った司祭を連れてきて結婚してしまいます。2週間後、怖くなった司祭は白状し、さらにティシャはジェイミーがティリオンに当てがった娼婦とわかります。娼婦と結婚したことに激怒した父タイウィンは、兵士たちに金を渡しティリオンの目の前でティシャに相手をさせました。
翌日、ティリオンは北部軍接近の報せで起こされます。死んだら泣いてくれとシェイに言うティリオン。山の民に号令をかけ、戦場に突入しますが、ティリオン自身は味方のハンマーに激突して気絶。目を覚ますと戦いは終わっていました。
ブロンや山の民の活躍で、ラニスター軍が勝利しました。しかし、斥候から2万人と聞いていたのに、実際に攻めてきたスターク兵は2000。ロブもいなかったといいます。残りの1万8000はどこへ?
リヴァーラン
ロブ率いる本体は、リヴァーランを包囲していたジェイミー軍を奇襲しました。しかもタイウィンの長男ジェイミーを捕えることにも成功します。ロブは若いのにジェイミーの挑発にも乗らず、父と妹たちを救うため次の戦いに備えます。
キングズ・ランディング
前回、剣術の師シリオ・フォレルが敵を引き付けている間に王城を脱出したアリアは、浮浪児のような暮らしをしていました。
町に鐘の音が響きます。子供たちに聞くと、ベイラー聖堂に王の手が連行されたとのこと。アリアも人々の後を追って聖堂に向かいます。
結局、ヴァリスの言葉はネッドの弱みを的確に突いていたのでしょう。ネッドは反逆の罪を告白し、ジョフリーが正当な王であることを認めます。しかしジョフリーはネッドを許しませんでした。
ネッドは聖堂に来ていたアリアに気づき、壁から王都に来ていたナイツウォッチのスカウト係ヨーレンに伝えていました。ヨーレンはアリアを見つけ、アリアがネッドの死を見ないようにします。
以上、ゲーム・オブ・スローンズ シーズン1 エピソード9でした。