S5E10 慈母の慈悲(Mother's Mercy)
ゲーム・オブ・スローンズ シーズン5 エピソード10『慈母の慈悲』について解説していきます。
タイトルの慈母は七神正教が信仰する神の持つ7つの側面の一つです。裁判で有罪が決定する前に罪を告白すると、慈母の慈悲により罪をあがない許されることになっています。
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オープニング
今回登場するのは、キングズ・ランディング、ウィンターフェル、壁、ブレーヴォス、ミーリーン、ドーンです。
スタニスの野営地
前回の犠牲が光の王に届いたのか、スタニス軍の進軍を阻んでいた雪はやみました。得意げなメリサンドルですが、兵の半分が脱走したという報告を聞き表情が曇ります。
さらに悪いことに、スタニスの妻セリースが首を吊っているのが見つかります。雪を止ませる代償にスタニスはあまりに多くのものを失いました。さすがのメリサンドルもスタニスを見捨てて逃げ出します。スタニスは残った兵を率いてウィンターフェルへの進軍を開始します。
カースル・ブラック
黒の城に戻ってきたジョンはサムにハードホームで起きた事を語ります。野人を助けるために多くのナイツウォッチを犠牲にしたことを悔やむジョン。
サムはジリと赤ん坊とともにオールドタウンに行きたいと申し出ます。オールドタウンにはメイスターを目指す人が学ぶ知識の城(シタデル)があります。メイスター・エイモン亡き今、サムがメイスターになればナイツウォッチ運営の支えとなることでしょう。
ジョンはサムの希望を尊重し、旅立ちを見送ります。数少ないジョンの味方がまた一人減ってしまいました。
ウィンターフェル
ウィンターフェルの城下町に滞在するポドリックはスタニス軍が迫っていることに気づきます。サンサからの合図を待っていたブライエニーはその報せを聞き塔の監視をやめてしまいます。
スタニス軍の接近で慌ただしい城の中、サンサは自らブライエニーに合図を送るため塔に向かいます。無事ろうそくを灯せましたが、残念なことにブライエニーは見ていません。
ウィンターフェルについたスタニスは早速包囲戦の準備にかかります。しかしそれを待たずにボルトン軍の騎馬隊が出陣。スタニス軍は準備不足のままボルトン軍を迎え撃ちます。
騎馬隊を含む兵の半分を失い歩兵が中心のスタニス軍に勝ち目はなく、敗走したスタニスは森に逃げます。そこに現れたのはブライエニー。スタニスは影を差し向けてレンリーを殺したのは自分だと認め、ブライエニーに殺されます。
混乱の中サンサは自室に戻ろうとしますが、ラムジーの愛人ミランダに見つかり矢を突きつけられます。殺すなら今殺せと挑発するサンサにミランダは矢を放とうとしますが、直前でシオンが押さえ階下に突き落とします。
ミランダが見つかればシオンも無事にはすみません。二人は城壁を登り、雪の積もった地面に飛び降りて脱出します。
ブレーヴォス
マーリン・トラントは娼館で娼婦を見定めています。ムチを振るい一番我慢強そうな一人を選びますが、その正体は顔をかぶったアリアでした。
S1E8 的は刃のようにでアリアをかばって戦ったシリオ・フォレルの仇としてアリアの殺しのリストにあり続けたマーリン。王の盾としての実力は本物ですが、殺しの技術を学んだアリアに隙を突かれては為すすべがありません。
黒と白の館に戻ったアリアをウィエフとジャクェンが待っていました。アリアが命じられたのと別の人間を殺したことを気づいているジャクェンはアリアに毒を飲まそうとします。
ところが毒を飲んだのはジャクェンでした。アリアに仕事を任せた責任でしょうか。取り乱すアリアですが、ジャクェンと思っていた人物もまた顔をかぶっていました。そしてどういうわけかアリアの目が突然見えなくなります。
ウォーターガーデンズ
前回の取り決めでミアセラはトリスタンと一緒に王都に戻ることになりました。ミアセラはドーンの人々と別れのキスを交わします。
王都へ向かう船の中で、ジェイミーはミアセラと語らいます。望まない政略結婚が多いなかでミアセラは幸せだ、ラニスターとマーテルの仲が険悪でも愛する人は選べないと。ジェイミーはサーセイとの関係を打ち明けようとしますが、ミアセラはすでに分かっていたようです。
父と娘として水入らずの時間を過ごす二人。しかしミアセラが突然鼻血を出し倒れます。時を同じくして船を見送ったエラリアも鼻血が。これはS5E7 贈り物でタイエニーがブロンに使った遅効性の毒「長い別れ」。手遅れにならないうちに解毒剤を飲まないといけません。
ミーリーン
前回ドロゴンの背に乗ってミーリーンの闘技場を飛び立ったデナーリスはまだ帰ってきていないようです。ダーリオの発案でティリオン、ミッサンディ、グレイ・ワームが留守番をし、ジョラーとダーリオが捜索にあたることになります。
突然ミーリーンの統治を任されて不安げなティリオン。そこへ噂を聞きつけて現れたのはヴァリス。S5E3 雀聖下でティリオンとはぐれて以来です。
一方、デナーリスとドロゴンは荒野で飢えかけていました。デナーリスが食べ物を探しに歩いていると、周りをドスラク人に囲まれます。
キングズ・ランディング
サーセイはとうとう罪の告白を決心します。夫がいながらランセル・ラニスターと通じた罪をハイ・スパローに告白するサーセイ。しかしジェイミーとの近親相姦については決して認めようとせずスタニスが流したデマと言い張ります。
もう一つの罪は別に裁判にかけるとして、贖罪のためサーセイは身を清められ髪を切られます。慈母の慈悲を受けるには罪を告白し罪に応じた償いをしなければなりません。サーセイは全裸で赤の王城までの道を歩かされます。
サーセイは民衆の罵声を浴びながら恥辱の道を歩きます。トマトやら何やらを投げつけられ、裸足で石畳を歩くので足の裏は血だらけです。
贖罪を終えて赤の王城に帰るサーセイ。城の面々がサーセイを見る目は前と同じではないでしょう。サーセイに徴用されていたクァイバーンはサーセイを手当します。クァイバーンが蘇生を行っていたマウンテンも王の盾に復帰しています。
カースル・ブラック
ダヴォスがカースル・ブラックにやってきてジョンに支援を求めます。野人が七王国の民になったのならスタニス王のために戦う義務があるというのがダヴォスの主張。野人の性格を知っているジョンは首を縦に振れません。
メリサンドルもやってきます(足速いな)。ダヴォスはスタニスや家族のことを聞きますがメリサンドルは浮かない顔で何も答えません。
ジョンが部屋で手紙を読んでいるとオリーがやってきて、野人の中にベンジェン・スタークの居場所を知るものが居たと報告します。ベンジェンはネッドの弟でジョンの叔父にあたります。最後に出たのがS1E3 スノウ卿なのでほとんどの人は覚えていないでしょう。S1E7 勝つか死ぬかで馬だけ帰ってきたきりずっと失踪中でした。
外に出たジョンは他のナイツウォッチに導かれますが、そこにあったのは「反逆者」と書かれた立て札だけ。ナイツウォッチに囲まれたジョンは次々と刺されます。その中には目をかけていたオリーもいました。
以上、シーズン5 エピソード10でした。
今回は戦闘シーンがないのにいっぱい死にましたね。主要人物ではまずスタニス。五王の戦いの当事者もジョフリーの後を継ぐトメンとベイロンを残すのみ。とはいえベイロンに目立った動きはないので事実上スタニスの死によって戦いは終息、トメンと摂政大后サーセイの勝利と言えるでしょう。
あとはジョン。シーズン5を通してナイツウォッチの支持を失う伏線が張られていたとはいえ、あっけなさすぎる。シーズン6は一体どこへ向かうのでしょうか?
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