S3E9 キャスタミアの雨(The Rains of Castamere)
ゲーム・オブ・スローンズ シーズン3 エピソード9『キャスタミアの雨』について解説していきます。
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オープニング
今回登場するのは、キングズ・ランディング、ドラゴンストーン、ツインズ、ウィンターフェル、壁、ユンカイです。ドラゴンストーンは今回のエピソードでは全く登場しないのですが、前回の振り替えでしょうか。
ロブの野営地
これまでの経緯をおさらいすると、ロブ率いる北部軍はラニスター軍と順調に戦っていましたが、ハレンホールで敵の逃走を許してしまい次の一手が打てない状況でした。またS3E5 炎の口づけで、北部軍の主要戦力の一つカースターク家を失ってしまい、王都攻略は絶望的になります。しかしウィンターフェルに退却して冬を越してしまうとラニスター討伐のチャンスは二度と巡ってこないでしょう。
状況を打破するため、ロブはラニスター家の本拠地キャスタリーロックを攻める作戦を立てます。しかしスターク家とボルトン家だけでは兵が足りないため、キャトリンの実家タリー家に仕えるフレイ家を味方につけようと考え、キャトリンの弟エドミュアとフレイ家の娘の政略結婚に臨みます。下の画像で、X型の駒がボルトン家、お城の駒がフレイ家を表しています。
S2E1 北方の記憶で、キャトリンの反対を無視してグレイジョイ家にシオンを送った結果ウィンターフェルを奪われたことを反省し、ロブはキャトリンに助言を乞います。しかし戦況はよくなく、今回もまた信用できないフレイ家と手を組む必要があります。キャトリンはラニスターに思い知らせてとロブを励まします。
ツインズ
ツインズに着いた一行。何か食べているのは形式的なもてなしだそうです。ロブはウォルダー・フレイと娘たちに謝罪します。
愛する人ができたというロブに、面食いなだけじゃねーの?とウォルダーは嫌味を言いますが、謝罪は受け入れた様子です。
ユンカイ
デナーリス達はユンカイ攻略のための作戦会議をしています。セカンドサンズは前回で味方に引き入れたので、少数精鋭で侵入し、見張りを殺して正門を開ければ簡単に攻略できるというダーリオ。ジョラーは自分とグレイ・ワームを罠にかける気ではと疑いますが、グレイ・ワームの信じるという言葉で作戦は実行に移されます。
壁
クラスターの砦からずっと歩いてきたサムとジリはついに壁に到着します。 目指すは夜の砦と呼ばれる古い砦で、隠し通路を通って壁の南に行く作戦です。ジリは初めて目にする壁に感銘を受けているようです。
アリアとハウンド
ツインズに向かうハウンドとアリア。道で立ち往生している荷馬車を見つけたハウンドは手伝います。しかしツインズに向かっていると聞くと口封じのため殺そうとます。アリアに止められたハウンドは、その優しさが命取りになると言います。
2人はツインズの近くまでやってきます。城には母と兄がいますが、そのまま城に入ると門番に止められるだけです。ハウンドはアリアの中に家族と会えないのではないかという恐れがあると指摘します。
野人たち
トアマンド率いる野人の一隊は壁の南で農場を見つけます。農場主を殺して馬も金貨も奪おうとする野人たちに、ジョンはナイツウォッチに追われるから馬だけ奪おうと説得します。しかしトアマンドは追ってきた鴉も始末しようと言って略奪を決行します。
ギフト
ブランたちはギフトまで北上しています。ギフトは壁のすぐ近くの地域で、約8000年前に壁を建設したブランドン王がナイツウォッチに与えた土地と言われています。今は野人たちの略奪が多く見放されている地域です。
嵐が近づいているため、ブランたちは風車で雨宿りをします。窓から外を見ると馬に乗る人の姿が。雷の音におびえるホーダーが騒ぎ始めます。やってきたのは逃げる農場主を追ってきたトアマンドの隊でした。
ホーダーの声が外に気づかれそうになったため、ブランは使ったことのない狼潜りの力でホーダーの体に入り、静かにさせます。
トアマンドたちはナイツウォッチに報告されないよう農場主にとどめを刺そうとします。オレルはジョンに始末をつけさせようと提案します。ためらうジョンに、見かねたイグリットが代わりに農場主を射殺します。鴉の仲間とみなされたジョンとイグリットは野人たちと乱戦になります。
ジョジェンの勧めで、ブランは狼潜りでダイアウルフに入り、戦いに加勢します。
オレルと戦うジョンは隙を見てオレルを剣で貫きます。ジョンは馬を一頭奪うと、何も言わずに逃げ去ってしまいました。残されたイグリットは唖然とします。
ツインズ
エドミュアの結婚式。エドミュアは初めて花嫁の顔を見ますが、あら意外とかわいらしい。思わずウォルダーの様子を伺うロブ。エドミュア・タリーとロズリン・フレイは夫婦となります。
ユンカイ
夜になり、ユンカイに侵入したダーリオ、ジョラー、グレイ・ワームの3人。見張りは倒したものの、いないはずの敵が出てくる出てくる。
しばらくして、デナーリスの元に帰ってくるジョラーたち。ユンカイは全く降伏する気がなかったが、兵士たちを屈服させてきたと。一歩遅れてダーリオがやってきて、ユンカイがデナーリスのものになったと伝えます。
ギフト
ブランは自由に動物の中に入って操れる「狼潜り」の能力を自覚します。ジョジェンの言うには動物に潜るだけなら他にもいるが、ホーダーに入るのは誰にもできないと。
ブランはサマーの中からジョンを見たと言います。オシャは改めて黒の城に向かってジョンと再会するべきだと主張しますが、ジョジェンの言葉を信じたブランは壁の向こうへ行くことにします。オシャとリコンにはラストハースに向かうよう指示します。
ツインズ
結婚式の後、ツインズでは盛大に宴会が開かれています。スターク家、タリー家、フレイ家のほか、ハレンホールからルース・ボルトンも来ています。ルースの妻はウォルダーの娘なので親戚でもあるようです。
盛り上がったところで、ウォルダーは床入りの儀を要求します。ロブも認めたため、エドミュアとロズリンは一足先に会場を出ます。
新郎新婦が出ていくと会場の扉が閉まり、楽団は陽気な曲から変わってキャスタミアの雨を演奏し始めます。キャトリンはかすかな違和感を感じます。
ハウンドとアリアは商人に化けて城の中に入ろうとしますが、門番に宴はもう終わったと止められます。ハウンドが振り返るとアリアの姿が見えなくなっていました。
ウォルダーはロブにふさわしいもてなしを怠っていたとわびます。不審に思ったキャトリンが隣のルース・ボルトンの袖をめくると中に鎖かたびらを着込んでいます。
キャトリンがロブに大声で叫ぶと同時に、会場で虐殺が始まります。会場の外ではロブの愛狼グレイウィンドも殺されてしまいます。アリアはそれを目撃し、会場に入ろうとしますがハウンドに抱えられてツインズを後にします。
キャトリンはウォルダーの妻を人質に取り、ロブだけでも出て行かせろと要求します。しかしウォルダーは別の妻をめとればよいと気にも留めません。呆然と立ち尽くすロブはルース・ボルトンに殺され、キャトリンもまた喉を切られます。
ルースの台詞はS3E7 女騎士と熊でジェイミーがルースに言った言葉と全く同じですが、少なくともジェイミーはそういう意味で言ったんじゃないと思うけどなぁ。。
以上、シーズン3 エピソード9でした。
ゲーム・オブ・スローンズの全エピソード中でも、いや、過去のあらゆるドラマと比べても最も凄惨で衝撃的かもしれないこのエピソード。YouTubeには未視聴の人に見せてリアクションを撮影した動画がたくさん投稿されているとか。
結末を簡単に解説するなら、フレイ家のタリー家に対する裏切り、そしてボルトン家のスターク家に対する裏切りです。でも本当にそれだけでしょうか? ルースの言葉は最近ジェイミーから聞いたのを覚えていただけなのでしょうか? 楽団がラニスターのテーマ曲を演奏したのは偶然でしょうか? シーズン3でタイウィンがいつも手紙を書いていたのはなぜでしょうか?
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