S1E8 的は刃のように(The Pointy End)
ゲーム・オブ・スローンズ シーズン1 エピソード8『的は刃のように』について解説していきます。
前のエピソード
今回のタイトルは、エピソード2でジョンがアリアに剣を贈ったときの台詞、「レッスン1、尖った方で刺せ(stick them with the pointy end)」から来ています。登場人物たちが本格的な戦いに備えてそれぞれ武器を構えた、というところでしょうか。
オープニング
今回登場するのは、キングズ・ランディング、アイリー、ウィンターフェル、壁、ヴァエス・ドスラクです。
キングズ・ランディング
前エピソードの衝撃的なラストから、王城はざわついています。至る所でラニスター兵とスターク兵が戦っています。簡単な見分け方を教えましょう。金属鎧でピカピカしているのがラニスター兵、皮鎧と帽子みたいな兜、狼の丸盾がスターク兵です。
ウィンターフェルに戻るため準備していた荷馬車も襲われてしまいました。
異変に気付いたセプタ・モーディンは、サンサに部屋に戻るよう言います。セプタ・モーディンはスターク家の家来で、エピソード1では娘たちに裁縫を教えていました。セプタというのは、ウェスタロスで広く信仰されている七神正教の女祭司のことです。スターク家は古の神々という別の宗教を信じていますが、娘たちの先生としてウィンターフェルにいました。
ゲーム・オブ・スローンズの宗教については、以下のコラムもご覧ください。
サンサはアリアが剣の稽古をしていることに全く気付いてないですね。
部屋に戻る途中、サンサはハウンドに出くわします。
アリアはいつものようにシリオと剣術の稽古をしています。そこへマーリン・トラントら王の盾がやってきて、ネッドが呼んでいるから来るようにと伝えます。シリオは疑いを持ち、自分の身を挺してアリアを逃がします。木剣と体術で騎士数人を制圧するシリオは、さすがブレーヴォスの筆頭騎士。ブレーヴォスはエッソス大陸の町のひとつです。
アリアは荷馬車が襲われているのを見つけます。荷物からジョンにもらった大事な針(ニードル)を見つけたアリアは、王妃に引き渡そうとする少年を針で刺して逃げます。おめでとう、アリア。レッスン1完了だよ。
レッドキープの地下牢
ネッドは王城の地下牢に捕らえられています。ヴァリスがやってきて飲み水を差し入れます。限られた時間の中、密度の濃い会話が交わされます。
ヴァリス「なぜ王妃に秘密を知っているなどと言ったのか」
ネッド「慈悲の心だ。彼女の子供たちへの」
ヴァリス「あなたは死んだも同然だ」
ネッド「妻が弟を捕えているから王妃は私を殺せない」
ヴァリス「キャトリンはティリオンを解放したそうです」
ネッド「ならもう殺せ」
ヴァリス「あなたは、まだ死なぬ」
ネッド「君は誰に仕えているのか」
ヴァリス「国家のためです。誰かがやらねば」
まだ死なぬ、という言葉が出てくるのは、ヴァリスがエッソス出身だからでしょう。
壁
前エピソードでベンジェンの馬が帰ってきましたが、今度は部下2人の遺体が見つかります。死後時間がたっているのに腐敗臭がしないことにサムは疑問を持ちます。
ナイツウォッチ総帥ジオーの個人雑士であるジョンは、ジオー宛に来た手紙を見せてもらいます。内容はネッドが謀反で捕まったというもの。王都へ向かおうと立ち上がるジョンをジオーは止めます。誓いを立てた彼には壁を守る義務があるのです。
キングズ・ランディング
サンサはサーセイと小評議会に脅されて、ロブとキャトリンに手紙を書きます。内容は王都に来て、忠誠を誓えというものですが…。
ウィンターフェル
サンサの手紙を受け取ったロブは怒ります。ネッドもキャトリンも不在のなか、ロブは領主代行として、スターク家の旗手たちを招集します。
アイリー
キャトリンは、なぜもっと早く手紙の内容を教えてくれなかったとライサに詰め寄ります。しかし夫を王都で謀殺されたライサは、息子ロビンを守ることしか頭になく、ラニスターとスタークの戦争に関わりたくありません。谷間の騎士は戦争に参加しないと宣言します。
一方、アイリーから解放されたティリオンとブロンは山道を歩いています。腕の立つブロンを気に入ったティリオンは、もし俺を売りたくなったら思い出せ、もっと払うから、と言います。
休んでいたところを山の民に囲まれたティリオンは、もし山を抜けさせてくれるなら、谷間を奪うのに手を貸してやろうと交渉します。
壁
カースルブラックの夜。ジョンのダイアウルフ、ゴースト君が何やら騒いでいます。ジョンがついていくとジオー総統の部屋へ。そこで昼間見つかった遺体に襲われます。腕を切り落としても剣で胸を突いても止まらない死者。ランプの火を投げつけてようやく動きが止まりました。
ドロゴたち
ドロゴの一族は近くの村を略奪し、人々を奴隷として売っています。ウェスタロスへ向かう船を買うには金が必要です。しかし略奪の場を目の当たりにしたデナーリスは、略奪をやめさせ、襲われていた女たちを自分の所有としてしまいます。
獲物を奪われたマーゴはドロゴに訴えます。ドロゴは伝統だからと言いますがデナーリスは一歩も引きません。ドロゴはマーゴに諦めるよう言いますが、マーゴは剣をドロゴに向けます。ドロゴはマーゴを殺しましたが、自分も傷を負ってしまいます。
治療の心得があるものはいないかと聞くデナーリスに、先ほど助けた現地の妖術師ミリ・マズ・ドゥールが答えます。デナーリスは彼女に手当てを任せます。
ウィンターフェル
ウィンターフェル城に集まったスターク家の旗手たちを招いて晩餐会が開かれています。ちょっとした事故はありましたが、ロブは領主としての一歩を踏み出したようです。
ラニスター軍に気づかれないよう、ロブたちは夜のうちに南への進軍を開始します。ブランとリコンはウィンターフェルに残ります。
スターク家をはじめ北部の人々は古の神々という古い教えを信じています。神々は各地の森にある顔が彫られたウィアウッド「心の木」を通して世界を見守っているのだとか。
ブランがロブたちの無事をウィアウッドに祈っていると、オシャがやってきます。オシャは、ブランの声は神々に届いている。しかし南はウィアウッドがないのでロブたちを見守れない。ロブは北に進軍するべきだったといいます。
ホーダーなにしとんねん?
壁
カースルブラックの隊士たちは遺体を火葬にします。サムは、メイスター・エイモンの図書室で読んだ本にあった、ホワイトウォーカーの仕業ではないかと言います。
ロブの野営地
アイリーを出たキャトリンとロドリック・カッセルは、ロブの野営地まで来ました。
再会の喜びも束の間。キャトリンはサンサの手紙を読み状況を把握します。二人とも戦って勝つしかないという結論に達したようです。
タイウィンの野営地
一方、ティリオンとブロン、山の民は山を抜けて、タイウィンの野営地に着きました。タイウィンと弟のケヴァンが作戦会議をしています。山の民に渡す褒章の話をしようとしたところ、北の軍が地峡(ネック)を越えたとの報告が。タイウィンは山の民を戦いに引き入れ、ティリオンも巻き込まれます。
スターク軍作戦会議
ロブたちと一緒に戦況を整理してみましょう。
地図の(R)はロブたち。王の道を南進し、地峡(ネック)と呼ばれる細い地帯に入ったところです。兵数は1万8千。地峡には大河が流れていて、渡るための橋は双子城(ツインズ)のフレイ家が所有しています。
地図の(T)はタイウィン。南西のキャスタリーロックから約3万の兵を率いて北上しています。このままいけば地峡の中央でぶつかりあうでしょう。
地図の(J)はジェイミーです。彼はティリオンを捕えたキャトリンに報復するため、彼女の生家があるリヴァーランを3万の兵で包囲しています。
ラニスター軍の斥候が捕まりました。アンバー公は殺そうとしますが、ロブは生かして帰らせます。2万の兵がタイウィンを攻めると吹き込んで。
玉座の間
玉座の間では新たな人事が発表されています。ネッドを裏切ったシティウォッチの指揮官ジャノス・スリントは貴族となりハレンホール(ハレンの巨城)が与えられます。ネッドに代わりタイウィンが王の手となります。そしてバリスタン・セルミーは終身のはずの王の盾を解任され、代わりにジェイミーが王の盾の総帥に任命されます。
サンサはジョフリー王にネッドの助命を願います。ジョフリーはネッドが罪を認め、ジョフリーが王だと宣言することが絶対条件と言います。
以上、ゲーム・オブ・スローンズ シーズン1 エピソード8でした。
今回の地図は久しぶりに大きな動きがありました。一つは(R) ロブ率いる北部軍の南進。そしてもう一つは(T) タイウィン・(J) ジェイミーの北進です。アイリーにいたキャトリンとティリオンもそれぞれの陣営に合流しています。
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