S1E7 勝つか死ぬか(You Win or You Die)
ゲーム・オブ・スローンズ シーズン1 エピソード7『勝つか死ぬか』について解説していきます。
前のエピソード
オープニング
今回登場するのは、キングズ・ランディング、アイリー、ウィンターフェル、壁、ヴァエス・ドスラクです。
ラニスター軍の野営地
前回、ラニスターの騎士マウンテンが暴れているとの訴えをうけて、ネッドはラニスター家当主のタイウィンを王都に召喚しました。息子のジェイミーが父親のいる野営地を訪れています。キャトリンがティリオンを捕えたことを報告すると、タイウィンはジェイミーに3万の兵を与え、問題を解決するように命じます。しかしそれはティリオンのためではなく、世間にラニスター家を恐れさせるため。
タイウィンは家に執着します。個人の栄光や名誉はやがて死ぬが唯一家だけは未来に残る。ラニスター家の未来はこの数か月にかかっているとタイウィンは言います。
ラニスター家とは
やはりタイウィンを抜きには語れないと思い先延ばしにしましたが、ここでラニスター家を紹介します。
ラニスター家は古くからある名家で、大陸西部のキャスタリーロックを居城にしています。西部には金鉱山が多く、そのおかげでラニスター家は金持ちとして知られています。シンボルは獅子。標語は「聞け、わが咆哮を!」ですが、「ラニスターは借りを返す」もよく知られています。
現在のラニスター家はタイウィンとケヴァンの兄弟を中心としています。タイウィンはラニスター家の当主で、西部総督です。今はキャスタリーロックの城主をしていますが、先代の狂王の時代には「王の手」を務めていました。ケヴァンは次のエピソードで登場しますが、兄の側近としてラニスター家のために動いています。
タイウィンの子供は、おなじみサーセイ、ジェイミー、ティリオンの3人。サーセイとジェイミーは双子です。
サーセイはターガリエンの王子の許嫁でしたが、17年前のロバートの反乱後は政略結婚でロバート・バラシオンの妻となりました。相性はあまり良くなかったようです。
ジェイミーは本来は長男としてラニスター家を継ぐはずでしたが、先代の狂王に王の盾(キングズガード)に任じられました。しかし王の盾になると妻や子、領地を持つことができなくなりラニスター家を継ぐことができません。家にこだわるタイウィンの心境は複雑だったでしょう。
ところがジェイミーはロバートの反乱の際に狂王を裏切り殺します。ロバートが王位についたためジェイミーは赦され、そのまま王の盾を続けますが、世間からは「王殺し」(キングスレイヤー)と不名誉なあだ名で呼ばれることになります。
美女、美男な兄弟に比べると小人のティリオンの容姿は劣ります。タイウィンの妻で子供たちの母は、ティリオンを産むときに亡くなりました。このことから、ティリオンは父に嫌われています。一人前と扱われないティリオンは酒と娼婦におぼれます。
タイウィンの弟、ケヴァンにも3人の息子がいますが、あまり出てこないのでそんなに一生懸命覚える必要はありません。長男のランセルはロバートの従者をして王にいじめられていました。
キングズ・ランディングの公園
公園でネッドとサーセイが話しています。サーセイとジェイミーの関係をネッドが問うと、サーセイは子供たちは3人ともジェイミーの子だと白状します。王が戻る前に逃亡することを勧めるネッド。サーセイは、あなたは反乱の時、自ら玉座につくべきだった。それをしなかったのは悲しい過ちだ、と言って去ります。
タイトル回収いただきました。ドラマ全編を通じて、ゲーム・オブ・スローンズという言葉が使われるのはここだけらしいですよ。
リトルフィンガーの娼館
ウィンターフェルから来た娼婦ロスは、リトルフィンガーの娼館に勤めるようです。リトルフィンガーは、いかにして男たちの気持ちをつかむかを娼婦に教えます。
同時に語られるのは、リトルフィンガーの叶わなかった恋の話。名前は出ていませんが、リトルフィンガーの想う相手はキャトリンです。キャトリン、ライサ姉妹とリトルフィンガーは幼いころ一緒に育ちました。ネッドの兄がキャトリンと婚約した時、リトルフィンガーは決闘を挑みますが相手にもされません。ネッドの兄は狂王に殺されたためキャトリンはネッドと結婚します。正攻法では勝てないと知ったリトルフィンガーは、人を利用することを覚えます。
シオン、お前ってやつは
ロスが王都へ行って寂しいシオンは、スターク家の家来となった野人のオシャに手を出そうとして、メイスター・ルーウィンに怒られます。オシャたち野人は夜に狩る者を恐れて南に逃げてきたという。
ベンジェン失踪
ジョンとサムが壁の上から見張りをしていると、ベンジェンの馬だけ帰ってきます。いくら哨士長とはいえ、壁の向こうに一人で取り残されたら帰ってくるのは困難です。
ロバート重体
狩りをしていたロバート王は、猪の突撃を食らって重傷です。王の身近な人々が見舞いに来ます。
王は人払いをして、ネッドに遺言を託します。内容はジョフリーが成人するまでの間、ネッドが代理を務めるというもの。ネッドは機転を利かせて、ジョフリーの名を正当な後継者に書き換えます。また、王はデナーリスの暗殺は間違いだったと認め、もしまだ生きているなら殺さぬよう言い残します。
デナーリス暗殺未遂
デナーリスはドロゴに鉄の玉座をおねだりしています。しかしドロゴは馬だけあればいい、海は渡らない、と全く取り合ってくれません。
デナーリスはジョラーと侍女たちをお供にして市場に出かけます。ジョラーは「蜘蛛」ヴァリスからの手紙を受け取るため一行から離れます。
デナーリスたちはワイン売りに呼び止められ、試飲を勧められます。デナーリスがドロゴの妻、ターガリエンの王女と知るとワイン売りは様子を変え、別のワインを一樽プレゼントします。手紙を読んで不穏に感じたジョラーは、ワイン売りに毒見をさせようとしますがワイン売りは逃げ出します。
ナイツウォッチの誓い
ナイツウォッチの新兵の配属が発表されます。その後に誓いを立てれば晴れてナイツウォッチの仲間入りとなります。ナイツウォッチには3種類の職があります。哨士(レンジャー)は壁の向こうに行き野人と戦います。工士(ビルダー)は壁の建設や修理にあたります。雑士(スチュワード)は料理や掃除などの雑務を行います。
ジョンは早く哨士になってベンジェンを探しに行きたかった。しかし発表された配属は、総帥ジオーの個人雑士。これはアリザーの差し金だ、公正じゃない、とわめくジョンをサムはなだめます。総帥の個人雑士にしたのは総帥の仕事に立ち会わせて後継者にしたいからだ、と。哨士になりたかったとぼやくジョンに、魔法使いになりたかったとサム。いいコンビです。
古の神々を信じるジョンは、壁の北のウィアウッドの森に行き「心の木」に誓いを立てます。サムも一緒についてきました。古の神々とは、北部で信じられている神で、ウィアウッドの森に祭られています。森の中心には顔を彫った「心の木」があり、信者はこの木の前では嘘がつけないとされます。
ゲーム・オブ・スローンズの信仰については以下のコラムもご覧ください。
ネッドの行動
レンリーはネッドに接触し、ロバートが死んでサーセイが動き出す前に、ジョフリーを捕えるべきだと勧めます。しかしネッドは次の継承者は弟のスタニスだとして動きません。レンリーが自分が王になれると説いてもネッドは乗りません。
ネッドはスタニスに手紙を出します。リトルフィンガーは、ラニスターと和解してジョフリーを王にし、娘を王妃にするのが賢明だと説きますが、ネッドは道義に反すると拒否します。ネッドはリトルフィンガーに兵の手配を求めているようです。
ドロゴの決起
デナーリスが毒殺されかけたことに怒るドロゴは、海を渡り七王国を攻めることを決意します。力で認められた王が動くとき、男たちは一丸となります。ロバート王の恐れが現実となりました。
ロバート王の死
ネッドにロバート王の死が伝えられます。そして、ジョフリー王と太后の待つ玉座の間に来るようにと。リトルフィンガーはシティウォッチの兵を手配しました。しかしレンリーは部下を連れて王都を去ったようです。
鉄の玉座にはジョフリーが座っていました。ネッドからロバートの遺言を受け取ったバリスタンは読み上げますが、サーセイは遺言を破り捨ててしまいます。ネッドはシティウォッチにジョフリーとサーセイの逮捕を命じますが…。
以上、ゲーム・オブ・スローンズ シーズン1 エピソード7でした。
地図に大きな動きはありませんが、南西のキャスタリーロックに(T) タイウィンが登場しました。ラニスター家の実力者はエピソード1から今までずっとここにいました。ドラマでは野営地にいたのでもう少し右上のあたりかと思います。
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