S1E4 不自由、庶子、破たん(Cripples, Bastards, and Broken Things)
ゲーム・オブ・スローンズ シーズン1 エピソード4『不自由、庶子、破たん』について解説していきます。
前のエピソード
Amazonの各話タイトルは直訳重視とはいえ、このタイトルは微妙ですね。せめてBastardは「落とし子」としてほしかった。Hulu版の「壊れたものたち」のほうがマシに感じます。
オープニング
今回登場するのは、キングズ・ランディング、ウィンターフェル、壁、ヴァエス・ドスラクです。
ウィンターフェル
ブランは夢の中で三つ目の鴉に会います。
前回カースル・ブラックを後にしたティリオンはウィンターフェルに立ち寄ります。自力で歩けなくなったブランは、使用人の太ったホーダーに抱えられて移動します。「障碍者や落とし子や壊れたものに弱い」というティリオンは、足が不自由でも使える鞍の図面をブランに贈ります。
ウィンターフェルを去るティリオンを見送りに来たシオン。ティリオンはまるでスターク家の従者のようだと皮肉ります。シオンはスターク家の息子ではなく、父親のベイロン・グレイジョイが反乱を起こして敗れたときに、体のいい人質としてスターク家に連れてこられた子。ブランの時と比べると辛らつに感じますが、エピソード1でジョンに言った「立場を忘れるな」を考えると、ティリオンなりの助言なのかもしれません。
壁の新入り
ナイツウォッチに新人サムウェル・ターリー(あだ名はサム)がやってきます。太った体形、武術も全くダメですぐ音を上げる。兵士たちのしごきに会いますが、ジョンはサムをかばいます。
ヴァエス・ドスラク
デナーリスたちはやっと騎馬族の都、ヴァエス・ドスラクに到着します。ヴィセーリスはドスラク人を野蛮人とさげすみます。ヴィセーリスは自分をドラゴンの血が流れた真の王と思っていますが、ドラゴンは昔に死に絶えていて、ヴィセーリスも赤の王城(レッドキープ)で頭蓋骨を見たことしかありません。
キングズ・ランディング
玉座の間を見学するサンサ。王都はサンサがこれから暮らす場所でもあり、祖父と叔父が殺された場所でもあります。ダイアウルフの件でジョフリーの顔を立てなかった父にサンサは苛立ちます。
ジョン・アリン暗殺事件
ネッドは王の手を務めながら、前任の王の手であり父代わりだったジョン・アリンの死を追っています。エピソード1では、ジョン・アリンの妻だったライサから、ラニスター家による暗殺という手紙を受け取っていましたね。
ジョン・アリンは死の直前、グランド・メイスター・パイセルの元を訪れ、名家の血統についての本を読んでいました。ジョン・アリンは死ぬまで「種は強い」と繰り返していたそうです。ネッドは本を借りていきます。
リトルフィンガーは公園でネッドと話しています。公園は各陣営のスパイだらけ。リトルフィンガーはネッドに二人の人物を教えます。ジョン・アリンの死後すぐに騎士に任じられた元従者のサー・ヒュー、そして死の直前に頻繁に通っていた町の武具師を。
ネッドは家来をサー・ヒューの元に遣わせますが、傲慢なヒューは騎士でないものには取り合おうとしません。ネッドは武具師の元を訪ねます。ジョン・アリンは工房で働く青年ジェンドリーに会いに来ていました。ネッドはジェンドリーの人相を見て、ロバート王の落とし子であると見抜きます。
壁
訓練中にサムを殺そうと企てる兵士に、ジョンとゴースト(ダイアウルフ)は警告します。ジョンについてきてくれる仲間もいますね。
次第に仲良くなるジョンとサムは、女性について話します。かつてジョンは娼婦と寝る寸前までいったが、もし子供ができたら自分と同じ落とし子になると思うと踏み切れなかったといいます。
七王国では、父の姓を名乗れない落とし子は地域ごとに共通の姓を名乗る風習があります。北部の落とし子はみなスノウ姓になります。
ジョンとサムが話していると、武術師範のアリザー・ソーンが入ってきます。彼は元はターガリエン家に仕えており、ロバートの反乱でターガリエン家が滅ぼされたため壁に来ました。反乱側のスターク家は嫌いです。
彼の言うには、壁の向こうの哨士たちは過酷な戦いをしている。冬の嵐で身動きが取れなくなり6か月過ごしたこともある。その時は馬も、仲間の肉でさえも食った。高貴なジョンや無能なサムは、哨士ではなく城で働く工士や雑士になるだろうが、本当の寒さを知らないお前たちはいい気になるな、と。
武芸大会
どうにか資金繰りのメドが立ったようで、武芸大会が開催されます。観戦に来ていたサンサとアリアにリトルフィンガーは近づきます。
ちなみにリトルフィンガーというあだ名は、ベイリッシュ公の背が低いことと、彼の出身地がフィンガーズという地名だったことからつけられたようです。
最初の試合はグレガー・クレゲインと、サー・ヒューの対決。グレガー・クレゲインはラニスター家に仕える凶暴な騎士で、マウンテンというあだ名で呼ばれています。ヒューはジョン・アリンの元従者。
両者馬に乗って突撃しますが勝負にならず、サー・ヒューは即死します。
ここで、シーズン1に出てくる名家の紋章(Sigils)について説明します。図の左上→右下の順に、
- アリン家 ハヤブサと三日月
- モーモント家 熊
- グレイジョイ家 クラーケン
- クレゲイン家 犬
- ラニスター家 獅子
- スターク家 大狼(ダイアウルフ)
- タイレル家 薔薇
- ターガリエン家 三頭のドラゴン
- バラシオン家 王冠をかぶった牡鹿
- タリー家 波にはねる鱒(マス)
ゲーム・オブ・スローンズの衣装や小道具には細かにこれらの紋章が刻まれています。これで登場人物の顔がわからなくなっても安心ですね。
山と猟犬
ラニスター家に仕える、グレガー・クレゲイン、サンダー・クレゲインの兄弟は凶暴で有名です。二人ともあだ名で呼ばれることが多く、グレガーはマウンテン(山)、サンダーはハウンド(猟犬)と呼ばれます。
ハウンドの顔の傷は、子供のころ、マウンテンがハウンドの顔を赤く燃える石炭に押し付けてできた火傷痕なのだとか。
ネッド VS サーセイ
ネッドの執務室を王妃サーセイが訪れます。ダイアウルフを殺させたことを謝るサーセイ。会話の中でわかった二人の共通点。槍試合に興味がないこと、そして、敵を殺すよう育てられたこと。
キングズロード
キャトリンと家来のロドリックはキングズ・ランディングを出発しウィンターフェルに帰ります。途中の宿屋で休憩していたところ、ウィンターフェルからキングズ・ランディングに帰るところのティリオンに出くわします。
ブランを襲った刺客の短剣がティリオンのものだと聞いていたキャトリンは、宿屋にいたスターク家ゆかりの人々に助力を求め、ティリオンを拘束します!
以上、ゲーム・オブ・スローンズ シーズン1 エピソード4でした。
今回の地図です。(E)ネッドはキングズ・ランディング、(J)ジョンは壁のカースル・ブラック、(B)ブランはウィンターフェルにいます。(C)キャトリンと(T)ティリオンはキングズロードの途中で遭遇しました。東の海を通る線は、キャトリンがキングズ・ランディングに船で向かったことを表しています。
エッソス大陸の(D)デナーリスはヴァエス・ドスラクに着きました。長かったね。七王国からどんどん離れて行っているけど大丈夫?
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