ゲーム・オブ・スローンズ旅のしおり

地図と写真でゲーム・オブ・スローンズの世界とあらすじを解説します(ネタバレあり)

ターガリエン家について

ゲーム・オブ・スローンズに登場する諸名家の中でも特別な存在感を持つターガリエン家について、その歴史とエピソードをまとめます。

画像の出典

 

 

古代ヴァリリア

ドラマの時代から5000年ほど前、エッソス大陸南部のヴァリリア半島にある火山でドラゴンが生息しているのが発見されました。ヴァリリア人はドラゴンの力を借りて周囲を制圧し、地図の黄色の部分にあたる広大な地域を支配しました。これを古代ヴァリリアと呼びます。帝国と呼ばれることもありますが、王は持たずドラゴンロードと呼ばれる有力な氏族が各地域を統治していました。ターガリエン家もそのうちの一つです。

古代ヴァリリア

ドラマの時代から400年ほど前、ターガリエン家はウェスタロスの沖にあるドラゴンストーンに城を作ります。しかしその数年後、The Doom(破滅)と呼ばれる災厄が起こり古代ヴァリリアは壊滅してしまいます。詳細は不明ですが連続的な火山噴火によるもものと言われています。血の世紀と呼ばれる100年に及ぶ戦いの後、ヴァリリア人の支配がなくなった周りの植民地は独立自由都市として独自の道を歩むことになります。ほぼすべてのドラゴンロードは滅び、数年前にドラゴンストーンに拠点を移していたターガリエン家だけが生き残りました。

エイゴン王の征服

ドラマの時代から300年前、エイゴン・ターガリエンはウェスタロスの王たちに玉座を要求します。当時のウェスタロスは壁より南が7つの王国に分かれていました。今のキングズ・ランディングの近くに拠点を構えたエイゴンは、姉ヴィセーニアと妹レイニスと手分けして各王国に侵攻します。

  • 七王国
    • 北の王国(大陸の北部。中心地はウィンターフェル)
    • 山と谷の王国(東部。中心地はアイリー)
    • 島と川の王国(鉄諸島、リヴァーランド、王都周辺)
    • 岩の王国(西部。中心地はキャスタリーロック)
    • 嵐の王国(南東部。中心地はストームズエンド)
    • リーチ王国(南西部。中心地はハイガーデン)
    • ドーン公国(南部。中心地はサンスピア)

有名なエピソードとして、島と川の王国の王だったハレン・ホアレは40年もの歳月をかけて巨大なハレンホール城を完成させました。その頃にエイゴンが征服にやってきて、巨大な城を誇って降伏を拒んだハレンを城ごと焼き尽くしたといいます。

レンホール城

七王国のうちドーン公国を除く六王国を征服した後、エイゴンは「アンダル人、ロイン人、最初の人々の王、七王国の統治者であり王国の擁護者」の称号を受けます。ドーンはエイゴン王の侵攻に最後まで屈しなかったことが後のドーン人の誇りとなっています。

 

ターガリエン王朝

ウェスタロスを征服したエイゴンはキングズ・ランディングを建設し、敵から奪った剣から鉄の玉座を作らせます。以後、古い王国の王たちの子孫は各地方の総督として実務にあたり、ターガリエン家の人間が王として七王国を統治する体制が300年続きます。ドーンはその後も独立を保っていましたが200年近くたってから政略結婚により平和的にターガリエン家の支配下に入ります。

エイゴンの征服から100年ほど後、現王妃の息子エイゴン二世と全王妃の娘レイニラの間で王位をめぐって諸侯を巻き込んだ内戦が起こります。双竜の舞踏と呼ばれるこの戦いでデナーリス家のほぼ全てのドラゴンが死滅したといいます。

ターガリエン家の人間はプラチナの髪と紫の目を持つ美しい容姿をしています。彼らは古いヴァリリアの慣習に従い近親婚を頻繁に繰り返してきました。そのせいか、一族の中には残虐で狂気とも思える性格の持ち主がしばしば現れます。その代表がターガリエン王朝の最後の王で狂王と呼ばれるエイリス二世でした。

エイリス二世

ロバートの反乱

ドラマの時代から20年ほど前のこと。エイリス二世の長男レイガーはハレンホールで行われた馬上槍試合で優勝します。優勝者には青いバラの冠が与えられ、それを愛する女性に捧げるのが習わし。レイガーはエリア・マーテルと結婚していたためエリアに捧げるのが普通ですが、レイガーはエリアではなくリアナ・スタークに冠を渡しました。その後、レイガーとリアナは姿を消します。

怒ったのはスターク家と当時リアナと婚約していたロバート・バラシオン。リアナがレイガーに誘拐されたと考えたリアナの父リカードと兄ブランドンはエイリス王に謁見し、リアナを返すよう求めます。エイリス王は2人を捕らえ、リカードを吊るして火あぶりにし、ブランドンは首に鉄の鎖をつけリカードを助けようとすると首が締まるしかけで2人を処刑します。

エイリス王はさらにブランドンの弟エダード・スターク(ネッド)とロバートの処刑を命じます。ブランドンと婚約していたキャトリン・タリーはネッドと結婚し、またキャトリンの妹ライサはジョン・アリンに嫁いだため、スターク家、アリン家、タリー家、そしてバラシオン家が団結して反乱を起こします。反乱軍はトライデント河付近で国王軍と対決し、ロバートが王子レイガーを一騎打ちで破り、レイガーは戦死します。この結果を受けて様子見していたラニスター家とグレイジョイ家も国王軍に反旗を翻します。

 

ターガリエン王朝の滅亡

ラニスター軍が王都に攻め入り、エイリス王は町に貯蔵したワイルドファイアに火を突けさせ、ラニスター軍を住民もろとも爆殺しようとします。王の盾としてエイリス王に仕えていたジェイミー・ラニスターは裏切ってエイリス王を殺害します。

レイガーにはエリアとの間に子供がいましたがラニスター軍に殺され、エリアはマウンテンにレイプされたのち殺されます。これが後々マーテル家とラニスター家の因縁となります。

ドラゴンストーンにいたエイリス王の子、ヴィセーリスとデナーリスはエッソス大陸の支援者を頼って亡命します。エイリス王の伯父エイモンはナイツウォッチに加わり黒の城のメイスターをしていたため、王都で身内が虐殺されるの黙って見過ごすしかありませんでした。

トライデント河の戦いの後、ネッドはリアナが囚われているという喜びの塔に向かいます。そこは王の盾にして国王軍の最強の剣士、暁の剣ことアーサー・デインに守られていました。本来ならエイリス王やレイガー王子を守っているべき戦力がなぜこんな僻地にいるのでしょう。(S6E3 背任者

喜びの塔

アーサー・デインを倒したネッドが喜びの塔を登ると、瀕死のリアナがいました。リアナはネッドに赤ん坊を託し、守ってくれるよう頼みます。この赤ん坊はレイガーとリアナの子供です。そしてこの赤ん坊こそがネッドがウィンターフェルに連れ帰り育てたジョン・スノウなのです。レイガーには正妻エリアがいたため、リアナとの子供はやはり落とし子ですが、北部ではなくドーンで産まれたためジョン・サンドと呼ぶべきかもしれませんね。

 

デナーリスの台頭

ドラマの時代。ターガリエン家はウェスタロスの歴史の表舞台から姿を消しましたが、ヴィセーリス、デナーリスの兄妹はエッソス大陸で再興の機会を狙っていました。

ヴィセーリス・ターガリエン

S1E1 冬の訪れではヴィセーリスがデナーリスを騎馬民族のドスラク人の王に嫁がせ、権力をつかむための武力を得ようとします。婚礼の日、デナーリスは支援者のイリリオ・モパティスから祝いの品としてドラゴンの卵を3つもらいます。

S1E6 金の王冠では立ち回りを誤ったヴィセーリスがカール・ドロゴに殺されます。

S1E10 炎と血では、息子を流産し夫ドロゴを呪術で失ったデナーリスが自ら火の中に入って見せ、彼女の部族の畏敬を手に入れます。また3匹のドラゴンが孵化し、デナーリスはドラゴンの母となります。

デナーリス・ターガリエン

S2E10 バラー モーグリスでは、ドラゴンを盗んだパイアット・プリーからドラゴンを取り戻し、裏切ったザロ・ゾアン・ダクソスから財産を没収して軍備と船を買う資金を得ます。

S3E4 穢れなき軍団では、アスタポアの親方から奴隷軍団の穢れなき軍団(アンサリード)を手に入れます。

S3E8 次子-セカンドサンズでは、ユンカイの親方を裏切った傭兵集団の次子(セカンドサンズ)がデナーリスの配下に加わります。